なめこは洗ってから使うべきなのか、洗わないほうがよいのか迷いがちだ。なめこを洗うかどうかは、商品の状態による。また、洗う場合は正しい方法を知っておく必要がある。どのようななめこの場合は洗うのか、また洗い方や使い方について詳しく見ていこう。
目次
- 1. なめこを洗う場合
- 2. なめこを洗わない場合
- 3. なめこの美味しい食べ方
1. なめこを洗う場合
なめこを洗うか洗わないかは、商品の状態で判断する。なめこはほかのきのこと異なり、真空パックに入った状態で販売されていることが多い。とくに洗う必要があるといわれるのは、この真空パックのなめこだ。
真空パックに入っているもの
真空パック入りのなめこは、時間の経過とともに酸味が強くなる場合がある。また、株付きのものと同様にオガクズや汚れが付着していることもある。そのため、洗ってから食べることが推奨されている。そのまま食べても差し支えない場合も多いが、酸味や汚れを気にせず美味しく食べるためにも、洗ってから使おう。
【洗い方に注意】
なめこには独特のぬめりがある。このぬめりが美味しく、香りや旨みのほかアミノ酸やミネラルなどの栄養も含まれるため(※1)、洗い過ぎないよう注意が必要だ。汚れや酸っぱさと一緒にぬめりまで落としてしまわないよう、サッと洗い流す程度に水洗いするとよい。パックからザルに移し、流水をかけて軽く全体を混ぜるように洗うだけでOKだ。
2. なめこを洗わない場合
真空パック入りのなめこは基本的に洗ってから使う。一方、株付きタイプのなめこは、なるべく洗わずに使うことが推奨されている。
株付きのもの
スーパーで販売されるなめこはほとんどが真空パック入りのものだったが、包装技術や輸送方法の進歩により、株付きのなめこも店頭に並ぶようになってきた。株付きなめこはやわらかく崩れやすいため、洗わずに目立つ汚れをキッチンペーパーで拭き取ってから使おう。
【洗う場合】
Advertisements
株付きなめこは基本的には洗わないが、汚れがひどく拭くだけでは取れない場合のみ、真空パックのなめこと同様にサッと水洗いするとよい。石づきを切り落としてほぐしたら、ザルに入れて流水をかけて軽く洗おう。
3. なめこの美味しい食べ方
なめこのぬめりを損なわない洗い方や下処理ができたら、ぬめりを生かした料理で美味しく食べよう。また、なめこを食べる際は必ず加熱しなければならない。生食ができない理由とおすすめのなめこ料理について紹介する。
生食はNG
なめこを含むきのこ類は、生食すると食中毒を起こすリスクがある(※2)。そのため、必ず加熱して十分に火を通してから食べよう。なめこだけでなくほかのきのこも生食はできないため、サラダに入れる場合も加熱してから使おう。
おすすめ料理
なめこは、定番の汁もののほか、ごはんものやおかずなど、さまざまな使い方ができる。たとえば下記のような料理がおすすめだ。
【汁もの】
- なめこ汁:なめこ入りの味噌汁。ねぎや豆腐など、シンプルな組み合わせが美味しい
- なめこの中華スープ:なめこのとろみを生かした中華風味のスープ。青菜が合う
【主食】
- なめこそば:定番のなめこ料理。そばとなめこがよく絡み、冷・温のどちらも美味しい
- なめこの和風パスタ:ナスや大葉などと組み合わせるのがおすすめ
- ねばねば丼:なめこ、納豆、おくら、山芋などをのせた丼。食感がよく美味しい
- なめこ雑炊:卵を加えたやさしい味の雑炊で、ほどよくとろみがついて食べやすい
【おかず(主菜、副菜)】
- なめこと豆腐のサラダ:レタスや葉野菜に豆腐となめこをのせたサラダ。ポン酢が合う
- なめこあんかけ:なめこで作ったあんを、卵焼きや肉、魚、豆腐ステーキなどにかける
- なめこの醤油漬け:常備菜にもなる便利な副菜。加熱したなめこを醤油に漬けるだけ
- 株なめこの炒めもの:株なめこはシンプルなバターソテーが美味しい
結論
なめこは、真空パック入りのものは洗って使ったほうがよい。洗う際は、ぬめりを落とさないようサッと水洗いする程度で十分だ。一方、株付きのなめこは汚れが目立つ場合を除き、洗わずに使ったほうがよい。いずれも必ず加熱して食べる必要がある。定番のなめこ汁やなめこそばのほかにも、サラダやパスタ、雑炊、炒めものなどさまざまな料理に使える。なめこの正しい下処理の仕方をおさえ、美味しく食べよう。
参考文献- ※1出典:公益社団法人 日本栄養・食糧学会「栄養と食糧」(第19巻 第5号)「ナメコの粘質物に関する研究(第1報)」(石沢 清)
- ※2出典:独立行政法人農畜産業振興機構「奥深いキノコ類の世界~食用性野生キノコの紹介と国内キノコ類栽培の現状と展望~」(鳥取大学農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センター 准教授 早乙女梢 教授 霜村典宏)