お正月のごちそうとして、日本で長く愛されているお雑煮。その具には、どのような食材を選んでいるだろうか?お雑煮の具材は、地域ごとにさまざまな特色や意味があるようだ。そこで今回は、お雑煮に使用されることの多い食材と、地域によって異なるその特色と意味をまとめて紹介しよう。
目次
- 1. お雑煮の具材ランキング
- 2. お雑煮の具にされる食材
- 3. お雑煮の具と意味
1. お雑煮によく使われる具材
お雑煮の具は地域によってさまざまだが、使っている割合が多い食材も存在する。まずは、お雑煮で多く使用されている具材をチェックしてみよう。
使用割合が多い具材
お雑煮の具として使用されているのは、主に大根、にんじん、鶏肉、かまぼこなどである。そのほかに、しいたけや三つ葉などが使われることも多い。お雑煮の具には、お祝いの席に並びがちな食材が幅広く使用されているのだ。
また、地域によってはネギ、白菜、ほうれん草、小松菜などの野菜も使われている。メインとなるお餅を中心として、さまざまな野菜を入れた具だくさんのお雑煮を楽しむ地域が多いようだ。
2. お雑煮の具にされる食材
お雑煮の具は、動物性と植物性の食材に分けられる。それぞれの食材には、どのようなものがあるのだろうか?お雑煮の具として取り入れられている、動物性と植物性それぞれの食材をご紹介しよう。
動物性の食材
動物性のお雑煮の具材としては鶏肉が一番多く取り入れられている。鶏肉は、関東や東北、北海道といった東日本エリアで多く使用されているようだ。そのほかにも、豚肉や魚介類などさまざまな食材を加えている地域もある。ブリは福岡や岡山、鮭やイクラは新潟、エビは鹿児島でお雑煮に広く取り入れられている具材だ。
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鶏肉を使わない地域では、その土地ならではの産物の魚介類を使用したお雑煮が浸透しているよう。鶏肉の代わりに、かつお節で出汁を取っている地域も多く存在している。
植物性の食材
植物性の食材は、にんじんや大根をはじめとした野菜が挙げられる。鶏肉を入れる北海道や東北などの地域では、さらにごぼうを入れることで香り付けにも役立てているようだ。鶏肉を入れない家庭が多い九州地域では、しいたけで出汁を取っていることも多い。鶏肉やしいたけを入れないことが多い関西エリアには、白味噌ベースの汁に里芋を入れたお雑煮を作る地域もある。白味噌の優しい甘みと里芋のとろみは相性バツグンだ。
3. お雑煮の具と意味
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地域によって異なるお雑煮の具には、ひとつひとつに意味がある。それぞれの地域で伝統的に取り入れられているお雑煮の具と、その意味について解説しよう。
地域に根付く食材の意味
地域によって変わるお雑煮の食材は、それぞれに意味を持たせて加えていることもある。出世魚としてブリ、長寿を願ってのエビ、多産の意味が込められたイクラといったように、ハレの日にふさわしい食材が多く使われているのだ。
また、お雑煮に入れるメイン食材である餅には、形に意味を持たせている地域もあるよう。昆布とかつお節で出汁を取った白味噌仕立てのお雑煮である京都では、餅をはじめとしたすべての具材を丸くかたどっている。これは、「物事が丸く収まるように」「家庭円満」といった思いが込められているのだ。いままで何気なく食べていたお雑煮も、入っている具の意味を考えてみることで、より幸せをかみしめながら味わえるかもしれない。
結論
お雑煮の具に多く使用されている食材や、地域によって異なる具の意味を紹介した。全国の地域ごとにさまざまな違いがあるお雑煮は、その意味を考えながら食べることでより味わい深いものとなる。好みだけでなく、具に込められた意味を考えながら、自分なりのオリジナルお雑煮レシピを考えてみてもおもしろいだろう。日本で昔から愛されているお雑煮を、今年のハレの日にも存分に味わってほしい。
監修管理栄養士:小林里穂
経歴:管理栄養士養成施設を卒業後、栄養士資格・管理栄養士資格・栄養教諭資格を取得。学校給食センターでの勤務時に小・中学生に食育を実施した経験を活かし、栄養分野の記事執筆・監修を中心に活動中。