今回紹介するのは、ししとうの食べ過ぎによる影響だ。天ぷらに煮びたし、炒め物など、身近な料理で味わうことのあるししとうだが、あまり食べる機会がないという人もいるだろう。ししとうを食べ過ぎると、身体にどういった影響を及ぼすのだろうか。
目次
- 1. ししとうの食べ過ぎによる影響
- 2. ししとうの食べ過ぎにならない量
- 3. 辛味の少ないししとうの見分け方
1. ししとうの食べ過ぎによる影響
ししとうと聞くと、あまりなじみのない野菜という人もいるかもしれないが、天ぷらや煮びたし、つくだ煮に調理して食べるとおいしい食材だ。見た目がピーマンに似ており、丸ごと使用するときは中の種を取る必要はない。あまり過剰摂取することはないかもしれないが、ししとうを食べ過ぎると、どう身体に影響するのだろうか。
粘膜が傷つく
カプサイシンとはトウガラシの辛みの主成分だ。特徴はカプサイシノイドと呼ぶ、炭素・水素・酸素・窒素からなる天然有機化合物のひとつ。ししとうにはカプサイシンは、ほとんど含まれていない。しかし、中にはカプサイシンが通常より多く含まれている辛い、ししとうがある。ししとうが辛くなるのは天候が不安定になりやすい6月や10月に、土壌の水分量が急に変わったり、熱帯夜のような高温が続いたり、肥料が適量まかれていないときだ。ししとうにストレスがかかり、辛いものができてしまうことが多いようだ。では、カプサイシンを過剰摂取すると、身体にどう影響するのだろうか。症状は粘膜が傷つき、胃や喉が荒れる可能性がある(※1)。
2. ししとうの食べ過ぎにならない量
ここでは、ししとうの食べ過ぎにならない量を紹介しよう。
1日の摂取量
ししとうのような野菜は先述したように、煮びたしやつくだ煮のような副菜で食べることが多い食材だ。農林水産省の食事バランスガイドによると、一日あたりの副菜の目安量は、5~6SV(サービング)である。1SVが70gなので、重さでは350~420gだ。ただし副菜には海藻やいもが含まれており、それらを使用する副菜とともにバランスよく、ししとうを食べることが大切だ(※6、7)。
3. 辛味の少ないししとうの見分け方
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辛味の少ない、ししとうは見分けられるのだろうか。
見分け方のポイント
見た目と匂いからは、ししとうの辛みを判断することはできない。種子が少ないものや受粉せずに実のみが発達して種のないものは、カプサイシンを多く含む(※1)。新鮮なししとうは、全体的にツヤがあり、緑色があざやかで皮にハリがあるものを選ぶこと。ヘタが黒くて変色したししとうや、果肉が硬いものはNG。ちなみにししとうは、ほかの野菜と比較するとビタミンB6が多めだ。ビタミンB6の特徴は、たんぱく質を分解して吸収する効果が期待できる。たんぱく質が不足すると臓器・爪・皮膚・髪、身体のあらゆるところに影響を与えるという。たんぱく質の吸収を促進するビタミンB6は、大切な栄養素といえるだろう(※8)。
結論
ししとうを食べると身体にどう影響を及ぼすのかを紹介した。先述したように、ししとうにカプサイシンは、ほぼ含まれていない。しかし、中にはカプサイシンが通常より多いものがあるため、食べ過ぎにはくれぐれも注意してもらいたい。
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(参考文献)
※1※7出典:農林水産省「カプサイシンに関する情報」
https://www.maff.go.jp/※2出典:文部科学省「食品群名/食品名: 野菜類/ししとう/果実/生」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06093_7
※3出典:財団法人 日本食生活協会「食事バランスガイド」
https://www.pref.shimane.lg.jp/medical/kenko/kikan/unnan_hoken/kenkoutyoujyu/index.data/syokujibaransukyoukai.pdf
※4出典:高知県「高知県主要野菜の豆知識ししとう」
https://kochi-iop.jp/library/shishito/