チゲ鍋とキムチ鍋はどちらも辛い味わいが特徴の鍋で、その違いはあまり知られていない。実は同じように思えるチゲ鍋とキムチ鍋には3つの特徴の違いがあるのだ。この記事では、チゲ鍋とキムチ鍋の違いを詳しく紹介する。
目次
- 1. チゲ鍋とキムチ鍋の名称の違い
- 2. チゲ鍋とキムチ鍋の大きさの違い
- 3. チゲ鍋とキムチ鍋の味や作り方の違い
- 4. チゲの種類と違い
1. チゲ鍋とキムチ鍋の名称の違い
チゲとキムチ鍋は名称が違うだけではなく、意味が違ってくる。チゲ鍋という言葉について詳しく紹介しよう。
チゲという言葉
チゲとは朝鮮半島で「鍋」という意味を持っている。日本ではチゲ鍋と表弁することがあるが、これは実は鍋という言葉が重複しており、日本だけでの表現になるのだ。また、キムチ鍋もチゲの一種になる。朝鮮半島からチゲが日本に伝わる過程で間違った呼び名が広まり、チゲ鍋と呼ばれるようになったのだ。つまり、チゲ鍋は辛い鍋のことではなく韓国では鍋料理全般のことを指す言葉になる。
2. チゲ鍋とキムチ鍋の大きさの違い
チゲ鍋とキムチ鍋では鍋の大きさに違いがある。どのように違うのかチェックしてみよう。
一人用と複数人用
チゲとは一般的には一人用の小さな鍋で作るのが主流で、専用の鉄製鍋で作ることが多い。最近では、チゲ鍋用の鍋はホームセンターで販売している。それに対してキムチ鍋は、大きな土鍋で作り、みんなで囲んで食べるのが一般的だ。チゲ鍋は一人用で作るのに対し、キムチ鍋は複数人数用として作るので鍋の大きさが違う。本場の韓国では、チゲは個々で楽しむものであり、大勢で囲む日本の鍋料理とは鍋の大きさや食べ方が異なるのだ。
3. チゲ鍋とキムチ鍋の味や作り方の違い
チゲ鍋とキムチ鍋は、鍋の大きさだけではなく、味や作り方にも違いがある。本場との違いについてもみてみよう。
Advertisements
本場との違い
チゲ鍋とキムチ鍋では、作り方に違いがある。チゲ鍋は先にキムチと肉を炒めてからスープや具材を入れて煮込む。それに対してキムチ鍋はスープの中に具材を入れて煮込んで作るのだ。本場韓国で使われるキムチは酸味が強いので、その酸味を飛ばす意味で炒めてから作るチゲ鍋が主流になる。日本のキムチは酸味が強くないので、そのまま煮込むキムチ鍋に適している。
チゲ鍋とキムチ鍋では味にも違いがあり、チゲ鍋の方がキムチ鍋よりも辛味が強い。チゲ鍋は唐辛子で辛味を加えるのに対し、キムチ鍋は野菜の水分で辛味が薄まる。チゲ鍋とキムチ鍋では辛さや作り方に違いがあるので、辛く本格的な味わいを楽しみたい人にはチゲ鍋がおすすめだ。
4. チゲの種類と違い
Advertisements
チゲ鍋はさまざまな種類がある。それぞれ使われる具材や調味料によって味が異なるのだ。そんなチゲ鍋の種類をみてみよう。
多くの種類がある
チゲとは鍋という意味を持っているので、本場韓国では使う具材や調味料で多くの種類が存在している。日本でも馴染みのあるのがキムチチゲだ。キムチチゲはキムチや豚肉を加えて作り、唐辛子の量によって辛さの調整が可能だ。テンジャンチゲは、朝鮮味噌であるテンジャンで味付けをするチゲで、味噌汁のように各家庭によって味が異なる。スンドゥブチゲは、豆腐を使うチゲでコチュジャンやニンニクで味付けする。ほかにもスケトウダラを使うトンテチゲやまぐろを使うチャムチチゲなど海鮮チゲもある。また、プデチゲはコンビーフやランチョンミートなどを入れて作るチゲで、大鍋で作るのが特徴だ。
結論
チゲ鍋は韓国からチゲが伝わった時に日本人がつけた呼び名で、本場ではチゲと呼ばれる。チゲはもともと鍋のことを指し、チゲの中にさまざまな種類が存在しているのだ。キムチ鍋も日本特有の鍋で大鍋で作るのが特徴だ。本場の韓国ではキムチ鍋ではなく、キムチチゲとして親しまれている。チゲ鍋とキムチ鍋は使う鍋の大きさや作り方に違いがあり、辛さが異なるので、自分の好みに合わせて作ってみてもらいたい。
監修管理栄養士:小林里穂
経歴:管理栄養士養成施設を卒業後、栄養士資格・管理栄養士資格・栄養教諭資格を取得。学校給食センターでの勤務時に小・中学生に食育を実施した経験を活かし、栄養分野の記事執筆・監修を中心に活動中。