日本人にとって最も身近な野菜のひとつがかぶである。味噌汁や漬け物などかぶを使ったメニューは多く、食卓にのる頻度が高い野菜である。春の七草のひとつにもなっているかぶの旬はいつなのだろうか。本記事ではかぶの旬について、産地や品種、おすすめの料理とともに紹介する。
目次
- 1. かぶの旬の時期はいつ?
- 2. 産地別のかぶの旬
- 3. 品種別のかぶの旬
- 4. 旬のかぶを使ったおすすめ料理
- 5. 葉の部分も捨てないで!旬のかぶの栄養
1. かぶの旬の時期はいつ?
かぶは供給が多い野菜であるため、逆に旬についてあまり意識しないかもしれない。本来のかぶの旬はいつ頃なのだろうか。かぶの旬について説明する。
かぶの主な旬は秋から冬
かぶらと呼ばれることもあるかぶは、アブラナ科の植物である。かぶは通常、夏に播種し、秋から冬にかけてが旬とされている。日本で栽培されている株は種類が多いため、周年栽培が行われており、スーパーでも1年を通じてかぶを購入できるのである。
春もかぶの旬の季節
本来は秋から冬にかけて旬とされているかぶであるが、現在は春も旬である。JAのかぶの出荷量を参考にすると、盛夏以外には比較的安定した供給を誇る。(※1)種類や産地によっても異なるが、春に旬を迎える美味しいカブも多い。
2. 産地別のかぶの旬
現在の日本では、およそ80種におよぶかぶが栽培されているといわれている。関東地方、特に千葉県が主要産地となっている。かぶの主要産地の旬を見てみよう。
- 千葉県 12~3月、5月
- 青森県 5~10月
- 埼玉県 3~5月 10~12月
- 栃木県 5月中旬~6月下旬 9月下旬~11月中旬
- 北海道 4~6月
- 福岡県 12~2月
旬が異なる各地のかぶは、それぞれの特徴があり、味わいが異なることもある。
3. 品種別のかぶの旬
種類が多いかぶは、品種によって特徴があり、旬の時期も異なる。それぞれ品種の特徴とともに旬について見てみよう。
・小かぶ
関東を中心に全国的に栽培されているのが小かぶである。秋から冬が旬とされているが、各地によって旬が異なることもある。
・天王寺かぶ
天王寺かぶは、大阪府の南河内郡を中心に栽培されるかぶである。「なにわ伝統野菜」のひとつとなっている。中型で柔らかな果肉を持ち、なますやふろふきにして食べることが多い。天王寺かぶの旬は11~3月である。
・聖護院かぶ
京都府の伝統野菜のひとつであり、千枚漬けの材料として有名なかぶが聖護院かぶである。5kg近くになることもある大きなかぶで、京都府の亀岡が主要産地である。聖護院かぶは11~2月が旬である。
・赤かぶ
赤かぶは皮の部分が赤紫色をしているかぶの総称である。日本各地で特徴のある赤かぶが栽培されている。従来、赤かぶは冬の季語とされ、旬は冬である。
4. 旬のかぶを使ったおすすめ料理
1年を通じて手に入りやすいかぶは、どのようなレシピで楽しめるだろうか。美味しいかぶが手に入った場合に参考にしてほしいかぶの料理には、以下のようなものがある。
- かぶと油揚げの煮物
- かぶの浅漬け
- かぶのポトフ
- かぶのクリームシチュー
- かぶのカルパッチョ
- かぶのグラタン
かぶは漬け物や味噌汁の具としてよく使用することが多いが、実は洋食にも活用できる野菜である。ぜひ新しいレシピにトライしてみてほしい。
5. 葉の部分も捨てないで!旬のかぶの栄養
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新鮮なかぶが手に入った場合、みずみずしい葉を捨ててしまうのはもったいない。かぶの葉には、豊富な栄養が含まれている。(※2)
生の葉100g中の栄養を見てみよう。(※2)
・食物繊維 2.9g
腸内環境を整え、生活習慣病予防に効果がある。(※3)
・カルシウム 250mg
骨や歯の健康を維持する(※4)
・鉄 2.1mg
貧血予防の効能が期待できる。(※5)
・ビタミンA 230μg
視覚や聴覚、生殖機能を健全に保つ。
・ビタミンK 340μg
血液やその凝固機能を正常に保つ。
かぶの葉はくせがなく、炒めものやスープなどに活用できる。ぜひ葉も捨てずに美味しく食べてほしい。
結論
日本で古くから食べられてきたかぶは、品種も多い。全国各地で栽培されており、産地や品種によって旬の時期は異なる。最も一般的な小かぶは秋から冬が旬であるが、春に旬を迎える場所もある。品種によってサイズや特徴も異なるかぶは、季節ごとにその美味を堪能できるのである。栄養たっぷりの葉とともに、旬のかぶを美味しく食べてほしい。
(参考文献)
※1.一般社団法人全国農業協同組合中央会「カブ」
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=35
※2.文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)野菜類/かぶ/葉/生」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06034_7
※3〜※5.厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/監修管理栄養士:小林里穂
経歴:管理栄養士養成施設を卒業後、栄養士資格・管理栄養士資格・栄養教諭資格を取得。学校給食センターでの勤務時に小・中学生に食育を実施した経験を活かし、栄養分野の記事執筆・監修を中心に活動中。