くわいとはどんな野菜?おせち料理に使われる理由とは

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くわいという不思議な響きをもつ食材をご存じだろうか。普段はあまり目にすることがないくわいだが、お正月にはおせち料理の一隅を占めていることが多い。形状も独特なくわいとは、どんな野菜なのだろうか。本記事では食べ方も含めて、くわいについて紹介する。


目次
  • 1. くわいとはどんな野菜?
  • 2. くわいは縁起物!おせち料理に使われる野菜
  • 3. くわいはエグミのある野菜!アク抜きして調理しよう

1. くわいとはどんな野菜?

くわいとはどんな野菜なのか。スーパーでもあまり目にすることがないため、くわいについて知らない人も多い。まずはくわいの概要を説明する。

くわいはオモダカ科の水性野菜

くわいは、オモダカ科の水生多年草である。塊茎部分を野菜として食べるのは日本や中国に限られており、欧米では鑑賞用にすることもある。英語では「arrowhead」と呼び、学名は「Sagittaria trifolia L. var. edulis (Sieb.) Ohwi」である。食用とする塊茎は、直径1.5~4cmほど。正月との関係から12月が出荷の盛期である。

くわいの品種ごとの特徴

くわいにはいくつかの種類があり、食感が異なる。中国原産のくわいであるが、日本では国産のくわいの味わいが愛されている。くわいの種類について紹介する。

青くわい

長い芽が出る姿が「めでたい」に通じること、また苦味が少ないなどの特徴から、日本でよく食べられているのが青くわいである。主に埼玉県で栽培されている。おせち料理に煮物として使われていて、ほろ苦さがある。

白くわい

くわいの原産地中国で栽培されているのが、白くわいである。青くわいよりも大きめで、シャキシャキとした味わいを特徴としている。日本の市場に出ることは珍しい品種である。

吹田くわい

吹田市の特産であり、なにわの伝統野菜のひとつとされているのが吹田くわいである。サイズは小ぶりで「豆くわい」「姫くわい」の別称もある。えぐみのない上品な味わいで、明治時代初期まで御所に献上されていたという。

くわいの栄養

くわいの主な成分は炭水化物である。(※1)しかし、以下の栄養素の存在が認められている。(※2)生のくわい100g中の栄養素をリストにする。

・タンパク質(6.3g)

タンパク質は人間の生命維持に必須の栄養分であり、臓器や皮膚、ホルモンなどの働きに大きな役割を果たしている。(※3)

・食物繊維(2.4g)

日本人に不足しがちな食物繊維は、腸内環境を整えたり生活習慣病を予防したりと、さまざまな効能が認められている。(※4)

・カリウム(600mg)

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カリウムは体内のよぶんな塩分を排出する働きがある。(※1)

・リン(150mg)

骨や歯の健康維持に役に立つ効果がある。(※1)

くわいの選び方

日常的に目にすることが少ないくわいは、購入時に鮮度や品質の基準がわからないこともある。皮がつやつやとして、シンボルである芽がきれいに伸びているものを選ぶようにしよう。

2. くわいは縁起物!おせち料理に使われる野菜

ところで、くわいとはどんな語源をもつのだろうか。語源には諸説あり、「鍬芋」や「川芋」という言葉が変化したともいわれている。

また、くわいは、正月に欠かせない食材であるが、それにはどんな意味があるのだろうか。理由はくわいの形状にある。伸びる芽が目立つ形から「めでたい」食べ物とされて、正月の縁起物として食されてきたのである。次回おせち料理を食べる際には、そんなくわいの意味も感じてみてほしい。

3. くわいはエグミのある野菜!アク抜きして調理しよう

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くわいはえぐみがあるため、これに対処してから調理する必要がある。くわいの下処理から料理法まで見てみよう。

くわいの下ごしらえ方法

くわいの芽は先だけカットし、底辺部分も薄く切って皮をむく。皮をむく場合は、下から上へとむくとむきやすい。皮をむいたくわいは、水にさらしてから水や米のとぎ汁で2~3回茹でこぼしをし、アク抜きをする。

くわいの料理法

おせち料理のひとつとしてくわいの煮物がよく知られている。くわいは煮物以外に茶碗蒸しの具にしたり、おろして揚げたりもできる。また、おろして蒸したくわいを乗せた鮨や、薄く切ってあげたチップスなどもよく知られている。さらに、普通の野菜と同じように炒めたり、混ぜごはんの具にする方法もある。

結論

普段見ることが少ないくわいは、正月のおせち料理に使われることが多い。日本では埼玉県が主要産地で、埼玉にはくわいごはんというメニューもある。出回ることが多い青くわいのほかに、大阪には吹田くわいもあり、独自の食感がある。えぐみがあるためアク抜きは必要だが、さまざまな料理に活用できるくわい、見つけたらぜひ試してみてほしい。

(参考文献)

※1.運営元:一般社団法人全国農業協同組合中央会「くわい」

https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=113

※2.文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)野菜類/くわい/塊茎/生」

https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06078_7

※3※4.厚生労働省

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
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