柿を食べると便秘になったり、便秘が良くなったりすると感じた経験はないだろうか。実は、柿は食べ方次第で便秘への効果が期待できるのだ。今回は、柿が便秘に作用する理由や悪化させてしまう原因などを紹介したい。柿が好きでついつい食べ過ぎてしまう方や、便秘を解消したいと考えている方はぜひ参考にしてみてほしい。
目次
- 1. 柿の便秘を解消する成分
- 2. 柿の食べ過ぎは便秘を悪化させる
- 3. 柿で便秘解消できる量
1. 柿の便秘を解消する成分
まずは、柿に含まれている成分の中で便秘を解消する効果が期待できるものを見ていこう。それぞれの成分の特徴とともに、もたらす効果を紹介するのでぜひ参考にしてほしい。
食物繊維
柿に含まれている成分の中でとくに多いのが食物繊維だ。干し柿の場合では100gあたり14.0g、生の柿では1.6gの食物繊維が含まれている。食物繊維には不溶性・水溶性があり、柿は不溶性食物繊維のほうを多く含んでいるのが特徴だ。(※1,2)食物繊維にはお腹の調子を整える効果があり、便秘解消の効果にも期待ができる。そのほか、脂質や糖などを吸着して排出する働きもある。そのため、これらの摂りすぎによって起こる生活習慣病の予防効果も期待できるのだ。(※3)食物繊維が不足しがちだと悩んでいる方は、柿を積極的に食べてみよう。おやつやデザートなどに取り入れると、気軽に食べられておすすめだ。
2. 柿の食べ過ぎは便秘を悪化させる
柿は適量であれば食物繊維によって便秘を解消する効果が期待できるが、実は食べ過ぎると悪化させてしまう場合がある。ここでは、柿を食べ過ぎると便秘が悪化してしまう原因について詳しく見ていこう。
タンニンの過剰摂取
柿にはお腹の調子を整えてくれる食物繊維が含まれている(※1,2,3)一方で、タンニンと呼ばれる渋み成分も含まれている。タンニンには腸の運動を抑える作用があるとされており、柿を食べ過ぎると便秘が悪化する可能性があるのだ。タンニンは渋み成分なので特に渋柿に多く含まれ、甘柿の場合にはほとんど含まれていない。甘い柿を1~2個食べる程度であれば問題ないが、渋柿は食べ過ぎないようにしよう。また、タンニンは渋柿だけでなく緑茶にも含まれている成分である。(※4)おやつやデザートに食べる分には気にすることはないが、食べ過ぎないように注意しよう。
3. 柿で便秘解消できる量
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次に、柿で便秘解消ができる量について見ていこう。食べ過ぎると便秘を悪化させてしまう可能性があるため、適量を食べることが重要なポイントだ。以下を参考にしながら、適量を見極めて取り入れるようにしよう。
食べ過ぎには注意
便秘の解消には食物繊維がよいと紹介したが、摂取量の目安としては18~64歳の男性の場合は1日21g以上、女性では18g以上が推奨されている。食物繊維は不足しがちな栄養素なので、柿だけでなくいろいろな食材から摂取するのがおすすめだ。柿だけで摂ろうとすると、カロリーが高くなってしまうので注意しよう。
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また、便秘解消には規則正しい食生活も欠かせない。1日3食をバランスよく食べ、朝食後にトイレに行く習慣をつけるのがおすすめだ。特に朝食はとても大切なので、欠かさず食べるようにしよう。便が固くて出にくい人は、水分をよく摂るようにするとよい。(※5)
結論
柿には豊富な食物繊維が含まれているものの、タンニンも含まれていることが分かった。食物繊維は適量であれば便秘を解消してくれる効果が期待できるが、柿を食べ過ぎるとタンニンの過剰摂取で腸の運動が抑えられる可能性もあるので注意しよう。便秘を解消したいなら柿を取り入れるのはもちろん、毎日の食事をバランスよくしたりトイレに行く習慣をつけたりするのもおすすめだ。
(参考文献)
※1※2参照:文部科学省
https://fooddb.mext.go.jp/※3※5参照:厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/※4参照:健栄製薬「Vol.51 【医師監修】便秘になる食べ物は?排便を促す効果に期待ができる食材を紹介」
https://www.kenei-pharm.com/ebenpi/column/column_51/
監修管理栄養士:小林里穂
経歴:管理栄養士養成施設を卒業後、栄養士資格・管理栄養士資格・栄養教諭資格を取得。学校給食センターでの勤務時に小・中学生に食育を実施した経験を活かし、栄養分野の記事執筆・監修を中心に活動中。