監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)
和食から洋食までさまざまな料理に使われる鮭は、地域によってはシャケとも呼ばれることがある。これは単なる呼び方の違いなのだろうか?この記事では、鮭とシャケの呼び名の違いやサーモンとの違いについて紹介していく。
目次
- 1. 鮭とシャケの違いは何?
- 2. 鮭とシャケの呼び名に違いがある理由:方言説
- 3. 鮭とシャケの呼び名に違いがある理由:調理法説
- 4. 鮭とシャケの地方による呼び名の違い
1. 鮭とシャケの違いは何?
日本の食卓に欠かせない鮭は、人によって呼び方が異なる。鮭とシャケは何が違うのだろうか?サーモンとの違いも合わせて紹介しよう。
読み方は違うが鮭とシャケは同じ魚の事
鮭を辞書で引くと、さけと書かれていることが多いが、シャケとも記載されている。つまり鮭とシャケは同じ魚のことで、どちらの呼び方も正解なのだ。
サーモンと鮭やシャケの違い
さまざまな説はあるが、鮭は英語でサーモンと呼ばれるので同じ魚であると考えてしまって問題ない。多くの場合日本で食べられるサーモンとは、淡水魚であるトラウトサーモン(ニジマス)と海水魚であるアトランティックサーモン(タイセイヨウサケ)のことを指す。サーモンと鮭の違いを挙げるとするならば、生食できるかできないかにあるだろう。サーモンは刺身や寿司として生食で食べられることが多いが、鮭は加熱してから食べることが多い。これは、鮭は海水魚でオキアミをエサにして成長するため、寄生虫がいることが多く、生で食べると食中毒を起こすことがあるからだ。それに対して、サーモンは淡水魚で大半は養殖されており、寄生虫の心配が少なく食中毒を起こす危険性がないため、安心して生食できる。
この記事もCheck!サーモンは鮭じゃない?シャケや鱒との違いも確認しよう
Advertisements
2. 鮭とシャケの呼び名に違いがある理由:方言説
鮭とシャケは呼び名の違いだと紹介したが、なぜ呼び名に違いが生まれたのだろうか?方言による呼び名の違いについて2つの説を紹介しよう。
北海道のアイヌ語が由来という説
シャケという呼び方は北海道のアイヌ語に由来しているという説がある。これは、アイヌ語で鮭を「チュキペ」と呼び、鱒を「サクイベ」「シャケンベ」と呼んでいたことが由来となった説だ。
江戸弁が由来という説
鮭とシャケという呼び名があるのには、江戸弁が由来しているという説がある。江戸弁を使う人はサ行をうまく発音することが難しく、「サ」が「シャ」になってしまいシャケになったという説だ。
3. 鮭とシャケの呼び名に違いがある理由:調理法説
鮭とシャケの呼び名の違いは調理法にあるという説がある。調理法による違いをみてみよう。
調理前が鮭・加工後がシャケ説
状態によって鮭やシャケと呼び名を変えることがある。これは調理前のものを鮭と呼び、調理後のものをシャケと呼ぶという説だ。
4. 鮭とシャケの地方による呼び名の違い
Advertisements
鮭とシャケは地方によっても呼び名が違ってくる。全国的にみるとシャケと呼ぶ地域が多く、鮭と呼ぶ地域は甲信越や北陸に多い。地域によって同じ魚でも呼び名が異なることがあるのだ。
結論
鮭とシャケの呼び名の違いは、さまざまな説がある。方言や地域による呼び方の違いや、調理法による呼び方の違いなどがあるのだ。鮭とシャケは呼び方による違いがあっても同じ魚を指すが、鮭とサーモンは違う魚を指すので覚えておくといいだろう。