カニは高級食材のひとつであるが、鍋物にするだけではなくグラタンやチャーハンなど和洋中さまざまなレシピで楽しめる食材でもある。殻に包まれているカニは、なかなか食べにくいのが難点である。カニはどのような方法で美味しく食べることができるのか。本記事ではカニの食べ方について説明する。
目次
- 1. カニの部位別の上手な食べ方
- 2. カニの美味しい食べ方
- 3. カニ味噌のおすすめの食べ方
- 4. 冷凍のカニの食べ方
1. カニの部位別の上手な食べ方
カニは部位によって取扱い方が異なる。カニの種類によっても、形状の相違によって食べ方が変わることもある。それぞれの部分はどうやって食べると食べやすいのか、詳しく説明する。
カニの足の食べ方
日本で確認されているカニの種類は、100種類にも及ぶといわれている。市場によく出回るのはズワイガニ、タラバガニ、毛ガニ、ハナサキガニなどである。まず、足の部分の食べ方を見てみよう。
【ズワイガニ】
ズワイガニの足を食べる場合である。
- まず関節部分で2つに分ける
- 形状が平坦なほうからはさみを入れる
- 反対側からもはさみを入れて切り開く
- 中の身がキレイにとれる。
【タラバガニ】
タラバガニの足はかなり太く殻も厚いため、軍手とキッチンバサミを要する。
- とがっていて危険な足先は切り落とす
- 関節部分で分ける
- 殻が白い側にはさみを入れて一直線に切る
- 足が開いて身が取り出せる
【毛ガニ】
毛ガニの場合も、手袋を用意すると便利である。
- 関節で切った足に縦に切れ目を入れる
- 切れ目に添うように、殻の片側をはがすように剥く
こうすると盛り付けたときもキレイである。
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カニの爪の食べ方
カニの爪の部分は、その種類でも特に美味しい身がつまっている。以下のような方法で、キレイに食べることができる。
- 甲羅から爪の部分を離す
- はさみの部分を握り、よく切れるキッチンバサミではさみよりも上の部分2か所に切れ目を入れる
- はさみの部分を引っ張ると、爪の部分の身がごっそりと抜ける。
カニの胴体部分の食べ方
カニの胴体部分は、少し複雑な構造をしている。まず、甲羅とは反対側の部分を見てみよう。
- どのタイプのカニにもある、三角形の部分(前かけやふんどしと呼ばれている)を除去する
- 親指を使って甲羅部分を外す
- 茶色いカニ味噌は甲羅部分にまとめておく
- 胴体部分の両際にあるエラをむしってとる
- 胴体部分を4つに切る
- それぞれの部分に詰まっている身をとって食べる
2. カニの美味しい食べ方
カニを美味しく食べるにはどんな方法があるだろうか。塩茹でして二杯酢で食べたり、鍋の具にする方法が伝統的な食べ方である。そのほかの食べ方には、以下のようなものがある。
- 刺身
- 焼きガニ
- カニのしゃぶしゃぶ
- カニ汁
- カニのフライ
- カニのグラタン
- カニのチャーハン
和食でも洋食でも美味しく食べることができることがわかる。
3. カニ味噌のおすすめの食べ方
カニにはつきもののカニ味噌は、酒の肴として愛されている部分である。カニ味噌はカニの内臓部分であり、とろっとした食感や濃厚な風味が特徴である。このカニ味噌の美味しい食べ方を紹介する。
- そのまま食べる
- カニの身の部分と混ぜて甲羅焼き
- 炊き込みごはんに混ぜる
- パスタの味付けのひとつにする
- グラタンに混ぜる
- 鍋や汁物に入れてコクを出す
カニ味噌に抵抗がある人もいるかもしれないが、慣れるとその美味は病みつきになる。
4. 冷凍のカニの食べ方
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年末年始、親戚や友人たちが集まる時期には、冷凍のカニを購入する人も多い。冷凍のカニはどのように解凍すれば美味しく食べられるのだろうか。その方法を説明する。
生のカニの場合
生のカニが冷凍されている場合は、流水を使って解凍するとよい。むき出しのまま水にさらすと旨みが流れてしまうため、冷凍してあるカニを袋に入れて流水を当てるのである。半分くらい解凍できた状態が、もっと美味しく食べられるとされている。生のカニは傷みやすいため、一度にたくさん解凍しすぎないよう注意が必要である。生食は避けて、加熱して食べるようにしてほしい。
ボイルしたカニの場合
茹でたカニが冷凍されている場合は、冷蔵庫に移動させてゆっくりと解凍するのが一番である。あるいは、袋に入れたまま氷水に浸けておいてもよい。理由は、温度が急激に変化することでカニの風味が落ちてしまうため、温度差を最小限にとどめて解凍するのが美味しく食べるコツだからである。どうしても時間がない場合は、レンジで数十秒加熱してから、冷蔵庫に入れておこう。甲羅の部分は足よりも解凍に時間がかかるケースもある。カニの解凍は1日はじゅうぶんに余裕を見て行うのが基本なのである。
結論
日本人は昔からカニの美味を愛してきた。家族や友人と食べるカニの美味しさは格別である。ただし、カニの処理は初心者にはハードルが高そうに見えるかもしれない。カニの種類によって大きさや形状は異なるが、基本さえ会得すれば食べ方はそれほど難しくない。冷凍されているカニも正しい方法で解凍し、美味しく食べきって欲しい。
監修管理栄養士:小林里穂
経歴:管理栄養士養成施設を卒業後、栄養士資格・管理栄養士資格・栄養教諭資格を取得。学校給食センターでの勤務時に小・中学生に食育を実施した経験を活かし、栄養分野の記事執筆・監修を中心に活動中。