監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)
多くの人が毎日食べているであろう「お米」。単純な食べ物のようだが、水の質やお米の研ぎ方ひとつでも炊き上がりが影響される、奥が深い存在だ。逆にいえば、コツを押さえると家庭でも一段と美味しくごはんを炊くことができる。美味しいごはんを炊くために、お米の正しい研ぎ方を紹介しよう。
目次
- 1. 美味しいごはんが炊けるお米の研ぎ方4つのコツ
- 2. ざるを使えば簡単!お米の基本の研ぎ方
- 3. お米の正しい研ぎ方Q&A
1. 美味しいごはんが炊けるお米の研ぎ方4つのコツ
美味しくごはんを炊くためのお米の研ぎ方には、4つのコツがある。どれも簡単なことなので、押さえておこう。
1:一度目のすすぎは手早く行う
一度目のすすぎは、たっぷりの冷水で素早くすすぐのが重要だ。理由は、すすいだ水にはお米から出たヌカやホコリが混ざっているため。すぐに水を捨てなければ、濁った水をお米が吸ってしまい、ヌカのニオイが付く原因となる。
2:一度目は美味しい水を使う
一度目のすすぎの水は、できれば浄水器の水やミネラルウォーターなどの良質な水を使おう。米は乾燥した状態で保存されており、水に触れた瞬間から水分をどんどん吸収する。一度目のすすぎのときがもっとも水分を吸収しやすいため、炊き上がりの味に大きく影響するのだ。
3:お米は優しく洗う
研ぎ方のコツは、お米を傷つけないように優しく洗うこと。ひと昔前は、精米後のお米にもヌカがたくさん残っていたため、ガシガシとしっかり圧をかける研ぎ方が普通だった。しかし現在は精米技術が進歩したため、強く研ぐ必要はない。むしろ強い圧をかけるとお米が割れて、食感や見た目が悪くなってしまう。
4:水を換えるのは2回から3回まで
お米を研いだ後は再びすすぎを行うが、回数は2~3回ほどでよい。お米を研ぐ目的は、お米の表面にあるホコリや肌ヌカを流すことだ。すすぎすぎると、お米の栄養成分や旨みも流れ出てしまう。水が透明になるまで何度もすすぐ必要はないため、気を付けよう。
2. ざるを使えば簡単!お米の基本の研ぎ方
前項のコツを踏まえて、お米の正しい研ぎ方を順に紹介しよう。準備してほしいのは、お米、計量カップ、ざる、ボウル、炊飯釜(鍋)だ。
- お米を正確に計量する
- ざるとボウルを使用して、一度目のすすぎを手早く行う
- 力を入れず、優しくお米を研ぐ
- 研いだ後に2~3回すすぐ
お米の計量用のカップは、1杯180ml=1合だ。正確に量るには、カップにお米を盛り上がるほど入れてから菜箸や指などですり切ろう。一度目のすすぎのときは、スピードを意識する必要がある。そのため事前にボウルにたっぷりと良質な冷水を準備して、ざるに入れたお米を一気に浸ける方法がおすすめだ。手早く4回ほどかき混ぜたら、すぐにざるを上げて水を切ろう。
お米の研ぎ方は、水を入れずに「手のひらで握って離す」を繰り返すことがポイント。2合以下なら40回、3合以上は50回ほど繰り返そう。これにより、1度のすすぎでは取りきれなかったヌカや汚れを取り除ける。
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研いだあとの洗米は、再びボウルに水を入れて数回軽くかき混ぜ、ざるで水を切るとスムーズだ。このすすぎの工程は、良質な水に越したことはないが、水道水でも問題ない。2~3回繰り返したら、真っ白に濁っていた水がうっすらと白い程度になるだろう。それ以上はお米の美味しさを損ねてしまうため、すすぎは2~3回でストップしよう。
この後の浸水や炊飯の工程も大切だが、研ぎ方のコツを押さえておくだけでも、これまで以上にふっくらとツヤのあるごはんが炊けるだろう。
3. お米の正しい研ぎ方Q&A
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お米の研ぎ方について、よくある疑問を解説しよう。
お米を研ぐのに炊飯器の内釜を使ってもいい?
お米を研ぐときに、炊飯器の内釜を使っている方も多いのではないだろうか。結論からいえば、内釜を使用しても問題はない。多くの家電メーカーも、内釜が洗米に使えることを公式に認めている。
しかし、使用年数などによっては、コーティングが取れる原因となることもあるだろう。お米の正しい研ぎ方という視点からも、ざるやボウルを使用したほうがスムーズなため、面倒でも内釜は使わないことをおすすめしたい。
お米はお湯で洗っていい?
寒い時期など、冷水を使うのが苦痛なときもあるだろう。しかしお米を研ぐときにお湯を使うのはよくない。理由としては大きく2つある。
ひとつは、味が落ちること。お湯でお米のでんぷんが分解され、お米の甘さが減ってしまったり、ヌカのにおいを吸収してしまったりする。もうひとつは、加熱する際にムラになることだ。表面は柔らかく中は芯が残ったような炊き上がりになってしまう。
旨みが少なく食感も悪いごはんになるため、お米の研ぎ方として、お湯を使うのは厳禁だと心得よう。
結論
美味しいごはんを炊くために、正しいお米の研ぎ方のコツを紹介した。少しの手間はかかるが、基本的なことばかりなので取り入れるのは難しくないだろう。お米の研ぎ方の違いでどれくらい炊き上がりに差が生まれるか、ぜひ体験してみてほしい。
監修管理栄養士:児玉智絢
経歴:女子栄養大学栄養学部を卒業後、管理栄養士免許を取得。食品メーカーの商品開発などを経験後、フリーランスとして栄養・健康分野の記事監修を中心に活動中。