寒くなってくると、どこからか焼き芋の香りがしてくる。秋から冬にかけて楽しめる焼き芋だが、家で美味しく作ろうと思うとなかなかうまくいかないという経験は誰しもあるだろう。焼き芋を作る方法はいろいろあるが、ここではトースターで作る方法を紹介する。トースター料理の初心者でも簡単に作れるため、ぜひ挑戦してみよう。
目次
- 1. 焼き芋をトースターで作るための準備
- 2. 焼き芋をトースターで作る方法
- 3. 焼き芋をトースターで作るメリット
1. 焼き芋をトースターで作るための準備
まずは焼き芋を作る準備をしておこう。ここでは焼き芋作りに必要な材料とトースターの設定温度をチェックする。
材料の選び方
焼き芋作りで必要なのはさつまいもとアルミホイルの2つのみだ。スーパーに行くとさまざまな種類のさつまいもが並んでいるが、トースターで焼き芋を作る場合は小さいものを選ぼう。使用するトースターの大きさをあらかじめチェックしておいてからさつまいもを購入すれば、さつまいもが大きすぎて入らないという失敗も防げる。また、太すぎるさつまいもは、なかなか火が通らないため細めのものを選ぶのもポイントだ。
設定する温度
トースターは800~900W、200度に設定しよう。200度と聞くと高い温度に思うかもしれないが、焼き芋には最適の温度だ。
2. 焼き芋をトースターで作る方法
焼き芋を作る際、さつまいもをアルミホイルで包む方も多いかもしれない。しかし実は、アルミホイルで包まなくても美味しい焼き芋を作ることができるのだ。
さつまいもは軽く洗って汚れを落とし、アルミホイルで包んでトースターに入れてもいいし、アルミホイルには包まず、下にアルミホイルを敷いたトースターの中にそのままさつまいもを入れてもいい。
焼き方のポイント
さつまいもの準備ができたらトースターに入れて200度に設定し、20分ほど焼く。これだけでは火が通り切っていないので、裏返してさらに20分焼く。最後に竹串を刺して火が通っているのが確認できれば焼き芋の完成だ。トースターで焼き芋を作るには最低でも40分はかかるが、時間をセットしておけば焼きすぎる恐れもないため、失敗なく作れる。
Advertisements
3. 焼き芋をトースターで作るメリット
トースターで焼き芋を作るとなると40分以上かかるため、もっと短時間で作りたいという人もいるかもしれない。しかし、トースターでじっくりと加熱するからこそ美味しい焼き芋を作ることができる。ここで、トースターで作ることで得られるメリットについて説明する。
特徴とメリット
トースターでじっくり焼き上げた焼き芋は甘みが強くなるが、その要因の1つに加熱温度と時間が関係している。さつまいもが加熱される過程でβ-アミラーゼという糖化酵素が糊化デンプンに作用するからだ(※1)。
具体的に説明すると、さつまいもが加熱されるとデンプンが糊化するが、β-アミラーゼが作用することで甘み成分であるマルトースに変化するというわけだ(※1)。ただし、β-アミラーゼは75~85度以上で働かなくなること、短時間の加熱だと十分に作用できずマルトースの生成が少なくなってしまう(※1)ことから、加熱すれば必ずしも甘くなるわけではない。
甘みの強い焼き芋を作るには長時間70度前後をキープするのが必須条件となるが、トースターの場合はそれらの条件を満たしやすく、美味しい焼き芋を作りやすいというメリットがある。
結論
トースターで焼き芋を作る際に必要なのはさつまいもとアルミホイルの2種類だけだ。火が通りやすいようさつまいもは小さくて細いものを選ぼう。さつまいもの準備ができたら、あとは温度と時間を設定して焼くだけなので、意外と手間がかからない。できあがるまでは40分ほどかかるが、甘みの強い焼き芋を楽しめる。
(参考文献)
(※1)化学と教育2019 年 67 巻 7 号 p. 318-319「「焼き芋」の甘さの秘密」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/67/7/67_318/_pdf