ナッツで太るは間違い!肥満リスクを下げる食べ方を解説

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監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

ナッツを食べると太ると思われがちだが、ナッツ自体が太る原因となるわけではない。太るかどうかは食べ方によるのだ。本記事では、ナッツの栄養面での特徴や、太りにくい上手な取り入れ方を紹介する。太るリスクを減らし、安心してナッツを食べよう。


目次
  • 1. ナッツは太る食べ物ではない
  • 2. 太るナッツの食べ方
  • 3. ナッツを生活に取り入れる方法

1. ナッツは太る食べ物ではない

ナッツには、さまざまな栄養素が含まれる。その栄養の効果を生かすことができたら、ダイエットに役立てることも可能だ。ナッツの栄養について詳しく見ていこう。

栄養と効果

ナッツには、たんぱく質や脂質、食物繊維、カリウムや鉄などのミネラル類、またビタミン類が多く含まれる。ナッツの種類によって異なるが、ビタミン類のなかではビタミンEやビタミンB群の含有量が多い。(※1~4)

【ナッツの脂質】

ナッツの栄養素でとくに含有量が多いのが、脂質である。脂質が多く高カロリーであることが太るといわれる原因だが、ナッツの脂質は主に不飽和脂肪酸で構成されている。そのなかでも、ナッツには食物から摂取する必要のある必須脂肪酸(リノール酸)が豊富だ。(※1、2、3、4、5)

リノール酸には動脈硬化や血栓を予防し血圧を下げる効果が期待できる。また、LDLコレステロールを減らす作用もある。(※5)

また、アーモンドには血中LDLコレステロールを下げる働きのあるオレイン酸が豊富に含まれている(※1、5)。

肥満リスクを下げる

ナッツには、下記のようにダイエット効果が期待できる栄養素が多く含まれる(※1~4)。上手に取り入れれば、肥満リスクの低下にもつながる。

【食物繊維(※6)】

食物繊維は消化されず小腸まで到達する。噛みごたえがあり腹持ちがよいため、食べ過ぎを防ぐことができる。また、排便を促す作用があるため、便秘の予防や改善にも役立つ。

【ビタミンB群(※7)】

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ビタミンB群は、主にエネルギー代謝に関与するビタミンである。それぞれ異なる役割をもつが、たとえばビタミンB1は糖質の代謝、ビタミンB2は脂質の代謝に欠かせない。ビタミンB群は互いに関係しながら作用するため、さまざまな種類のビタミンB群を含むナッツを食べることで、代謝の促進が期待できる。

2. 太るナッツの食べ方

ナッツの脂質は主に必須脂肪酸でできており健康に役立つ。ただし、総重量の50%、多いものでは70%を脂質が占めるものもあり、カロリーは高い。(※1~5)

食べ過ぎれば、カロリーの過剰摂取となり太る原因になってしまうため、食べ方には注意が必要だ。

食べる量

ナッツを好きなだけ食べれば、カロリーオーバーとなってしまう。ナッツを間食と考えた場合、食べる量は間食の目安量である200kcal(※8)を超えないように心がけたい。さらに、間食はナッツ単品ではなくほかの食品と組み合わせることが望ましいため、ナッツの一日あたりのカロリーは100~150kcal程度におさえるとよいだろう。

代表的なナッツの可食部100gあたりのカロリーは、下記の通りである。(「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」参照。カシューナッツのみフライ、ほか3種類は炒りのデータとなる。)

  • アーモンド:608kcal(※1)
  • カシューナッツ:591kcal(※2)
  • くるみ:713kcal(※3)
  • ピスタチオ:617kcal(※4)

このようにナッツは種類によってカロリーが異なる。150kcal程度になるナッツの目安量は、20~25g程度だ(※1~4)。大きさや密度は種類によって異なるため、個数にも下記のように差が出る点に気を付けよう。

  • アーモンド:約23粒
  • カシューナッツ:約16粒
  • くるみ:約10粒
  • ピスタチオ:約40粒

食べる時間帯

ナッツは歯ごたえがあり、食物繊維(※6)により腹持ちがよいため、食事の前(30分~1時間前)に食べるのがおすすめだ。一粒一粒しっかりと噛んで食べることで、食事の食べ過ぎを防ぐことができる。

また、運動量の少ない夜にナッツを食べると、エネルギーに代謝されにくく太るリスクが高まってしまう(※9)。夜食にナッツを食べるのは避けたほうがよいだろう。

3. ナッツを生活に取り入れる方法

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ナッツは脂質が多く高カロリーなため、一日に食べる量を決めて少量ずつ食べること、夜は避けて食べることを意識するとよい。また、ナッツの商品によってもカロリーや添加物は異なる。ナッツの効果を生かし太るリスクを下げるために、下記のポイントをおさえておこう。

塩分の量を確認

一般的におつまみとして販売されているナッツには、食塩が添加されているものが多い。その食塩の量は商品によって異なるため、パッケージを確認して選ぼう。商品によっては無塩のものもある。また、フライされているものより素焼きのナッツのほうが脂質量が少なく低カロリーだ。砂糖やバターなどを使用した商品もあるため、比較しながらよりシンプルなものを選ぶことをおすすめする。

小分けにしておく

ナッツを大袋のままつまんでいると、どのくらい食べたかわからなくなってしまう。気付かないうちに食べ過ぎてしまうことのないよう、あらかじめ小分けにしておくと安心だ。

結論

ナッツは脂質量が多くカロリーの高い食品である。そのため、食べ過ぎると太るリスクは高まる。しかし、ナッツを食べると必ず太るというわけではない。身体に必要な脂肪酸やミネラル、ビタミン、食物繊維などを豊富に含む、栄養面で優れた食品でもあるのだ。食べ方には気を付けつつ、上手に食生活にナッツを取り入れよう。

(参考文献)

  • ※1~4出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」https://fooddb.mext.go.jp/
  • ※5、8出典:厚生労働省e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
  • ※6出典:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「食物繊維の働きと1日の摂取量」https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/shokumotsu-seni.html
  • ※7出典:一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所「ビタミンB群」https://www.orthomolecular.jp/nutrition/vitamin_b/
  • ※9出典:一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 「寝る前のドカ食いはなぜダメ? 肥満や糖尿病のリスクが上昇 夕食は就寝の4時間以上前に」https://seikatsusyukanbyo.com/calendar/2020/010228.php
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