監修者:管理栄養士 佐々木倫美(ささきともみ)
たんかんは、沖縄や鹿児島などで親しまれている柑橘類の果物である。一般的なみかんとは少し異なる特徴をもち、食べ方も広く知られているわけではない。そこで、たんかんの食べ方をはじめ、特徴や保存の仕方について紹介していく。
目次
- 1. たんかんの食べ方
- 2. たんかんを保存する方法
- 3. たんかんの特徴と旬の時期
1. たんかんの食べ方
たんかんは、一般的なみかんよりも皮が少し硬い。みかんのように手で剥こうとすると、剥きにくく感じるかもしれない。そこで、簡単に剥ける方法を紹介しよう。
皮の剥き方
皮にナイフで切り込みを入れると、手で簡単に剥くことができる。手順は下記の通りだ。
- たんかんの皮に縦4か所の切り込みを入れる
- 切り込みに沿って、ヘタの反対側から手で皮を剥いていく
- 小房に分ける
皮を剥いたたんかんは、薄皮の袋(じょうのう膜)ごと食べられる。また、ナイフで1/8等分のスマイルカットにして食べてもよい。
加工しても美味しい
たんかんは、甘みが強く香りもよいのが特徴だ。そのまま食べるのがおすすめだが、下記のような加工にも向いている。
- ジュース:半分にカットしたたんかんを手絞りするのがおすすめ
- ジャム:たんかんの爽やかな味わいは、パンやヨーグルトのほか料理にも合う
- マーマレード:実だけでなく皮も使用するため、ほろ苦い風味を楽しめる
- ドレッシング:マーマレードに酢やオリーブオイルを加えて作れる
- ゼリー:実をまるごと閉じ込める、ほぐして加えるなどアレンジもできる
2. たんかんを保存する方法
たんかんなどの柑橘類は、果物のなかでも傷みやすい。とくに、高温多湿に弱いため保存する際は注意が必要だ。たんかんを美味しく食べきるための正しい保存方法を紹介する。
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保存方法とポイント
たんかんは基本的には常温保存向きの果物である。ただし、直射日光が当たる場所や暖かい部屋に置いておくと傷んでしまう。風通しのよい冷暗所での保存が最適だ。
ダンボール箱に入れたままはNG
たんかんは湿気に弱いため、ダンボール箱に入れた状態で保存すると傷みやすくなる。通販などでたんかんを箱買いした場合は、必ず箱から出してザルやカゴなど風通しのよい容器に移そう。
冷蔵保存する場合
たんかんは乾燥にも弱い。冷蔵庫(野菜室)に入れる場合は、ポリ袋などで包んで乾燥対策を行おう。
保存期間
正しい方法で保存しても、たんかんの日持ちは1週間ほどと短い。鮮度のよいうちにできるだけ早く食べきってしまうのが、たんかんの美味しい食べ方である。
3. たんかんの特徴と旬の時期
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たんかんは、中国が原産の柑橘で明治時代に台湾から鹿児島県に渡来したといわれる。全国的に広まったのは、昭和中期以降のことだ。ポンカンとオレンジ類の自然交雑種のため、それぞれの味の特徴を受け継ぎ、甘みが強く香りもよい。たんかんの産地や旬についても紹介しよう。
産地と旬の時期
たんかんは、暖かい地域で栽培される。国内の主な産地は、屋久島や奄美大島(鹿児島県)、沖縄県である。2007年にはかごしまブランド農林水産物にも認定されている。
たんかんの食べごろは2~3月だ。12月中旬から少しずつ販売が始まり、4月に旬が終わる。旬のピークである2~3月には、産地以外のスーパーなどにも出回る。また、通販での取り扱いもあるため、確実に入手したい場合は年末ごろからチェックするとよいだろう。
結論
たんかんは、みかんと見た目は似ているが皮がやや硬い。手で剥く場合はあらかじめ切り込みを入れるとよい。オレンジのようにカットして食べたり、ジャムや料理に使用したりと、さまざまな食べ方ができる。適切な保存方法でも日持ちは1週間ほどと短いため、大量にある場合は加工もしながら美味しいうちに食べきろう。南国の柑橘だが、食べごろの2~3月は全国的に入手しやすくなる。ぜひ旬のたんかんを味わってみてほしい。