渋柿に手を加える食べ方!5つの脱渋方法のやり方と特徴を解説

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秋の代表的な果物といえば、柿を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。そんな柿だが、甘柿と思って購入したら渋柿だったという経験をしたことがある人もいるはずだ。そこで今回は、渋柿の脱渋方法を解説していくので、ぜひ参考にしてみてほしい。


目次
  • 1. 渋柿をアルコール漬けにする食べ方
  • 2. 渋柿を炭酸ガスと密閉する食べ方
  • 3. 渋柿をお湯につける食べ方
  • 4. 渋柿をマッサージする食べ方
  • 5. 渋柿を干す食べ方

1. 渋柿をアルコール漬けにする食べ方

渋柿は熟せばそのままで美味しい甘柿とは違い、渋抜きしなければ苦みが強いままだ。柿の渋みは、水溶性のタンニンが口の中で溶けることが原因だ。原因であるタンニンを水溶性から不溶性に変化させることで、甘みが増して美味しく食べられるのだ。(※1)ここではアルコールに漬けて渋抜きする方法を紹介しよう。

焼酎を使う方法

脱渋をする際にアルコールを使う方法がよく用いられる。焼酎を使って脱渋する方法は、38%ほどのアルコールを柿1kgあたり10ccほど噴霧し、密閉できる容器に入れて保存する。約1週間ほど寝かせると渋みが抜けて美味しくなる。(※1)外気の温度が低いと長くかかる場合があるので注意。なお、この方法でタンニンがなくなるわけではなく、タンニンが結合して舌の上で感じなくなっているだけなのである。加熱すると「渋戻り」という現象が起こり、再び渋みが出てしまう。(※2)

2. 渋柿を炭酸ガスで脱渋する方法と食べ方

アルコールを使って脱渋をする方法が分かったところで今度は、炭酸ガスを使った脱渋の方法を解説していこう。

炭酸ガスで脱渋する方法

炭酸ガスはアルコールと同じく脱渋する際によく用いられる方法で、100%のガスの中に約1日密閉してその後開放する。2日ほどで渋みが抜け美味しく食べられるのだ。ただし、炭酸ガスを使った脱渋はアルコール脱渋よりも日持ちするが、風味を損なうといった欠点がある。また、アルコールと同じく加熱すると渋戻りが起こりやすいので注意が必要だ。(※1)

3. 渋柿をお湯につける食べ方

アルコールや炭酸ガスを使って脱渋をする方法が分かったところで、今度はお湯につけて脱渋する方法を紹介しよう。

40度のお湯を使う方法

お湯を使って脱渋する湯抜き法は、ポリエチレン袋などで柿を密閉し40℃のお湯に15~24時間漬ける方法である。脱渋した直後は完全に渋みは抜けないが時間経過とともに渋みが無くなっていく。しかし、タンニンの量が多い品種には向いていない方法なので注意しよう。(※3)

4. 渋柿をマッサージする食べ方

脱渋の方法にはアルコールやお湯などに漬けるだけではなく、手でマッサージをする方法もある。ここでは、軟化させて脱渋する方法について解説していこう。

軟化させる方法

収穫後に軟化しかかった渋柿を皮を破らないように、マッサージしたところ渋みが減ったというデータがある。また、マッサージから24時間後には、更にタンニンの不溶化が進んでほとんど渋みを感じなかったという結果報告がある。(※2)

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5. 渋柿を干す食べ方

柿の脱渋には、アルコールを付けたりお湯に漬けたりとさまざまな方法があることが分かった。最後に、渋柿を干して脱渋する方法について解説していこう。

天日干しにする方法

はく皮乾燥脱渋と呼ばれる方法は、天日干しにして脱渋をする。一般的に知られている干し柿のように乾燥させることで、渋みが抜けて甘くなるのだ。この天日干しにする脱渋方法は渋戻りがしにくいのも特徴である。脱渋にはさまざまな方法があるが、天日干しが最も渋戻りしにくいとの研究結果が出ている。そのため、渋柿の果肉を加工して使いたいときには、天日干しによって脱渋をしたものを使うとよい。炭酸ガスやアルコールのものよりも渋戻りしにくいので、違いを比較しながら食べてみるのもおすすめだ。(※2)

結論

渋柿の渋みを取り除くには、脱渋と呼ばれる工程を行う必要がある。また、脱渋にはさまざまな方法があるが、天日干しをする方法は渋戻りがしにくい。そのまま食べるのであればどの脱渋方法でもよいが、加工をする予定があるなら天日干しをするのがおすすめだ。ぜひ本記事を参考に、渋柿をより美味しく味わってほしい。

(参考文献)

※1参照:山形味の農園「庄内柿 渋抜きメカニズムと方法」

https://www.ajfarm.com/1892/

※2参照:日本食品保蔵科学会誌「柿の脱渋機序の解明並びに長期貯蔵に関する研究」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jafps/35/1/35_29/_pdf

※3参照:日本食品科学工学会誌1995 年 42 巻 10 号 p. 869「脱渋」垣内典夫

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1995/42/10/42_10_869/_pdf/-char/ja

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